日本語の母音、基本図ではある範囲に広がっていました。人によって違うのだと解釈していましたが、そうではなく、一人の話者でも違いがあるということです。思い込んでいました。この母音図では口の形で音声が変わることを示していますが、イメージ的なものです。 しかし、
『ビジュアル音声学』川原 繁人、三省堂 (2018/6/29)
を見つけました。この本によれば、きちんと解析できます。母音図の縦軸が、舌の高低(あごの位置、口の開き具合)、横軸が舌の前後になっていますが、これが縦軸が第一フォルマント、横軸が第二フォルマントになります。フォルマントですが、音は高音・低音いろいろな成分の音でできていて、均一ではなく、強弱があります。ピーク値をフォルマントといい、低音側から第一、第二、第三・・とします。第一と第二だけ考えます。 なぜ、母音図がフォルマントに置き換わるかということですが、口腔内を箱にモデル化すると、縦のサイズが第一フォルマント、横のサイズが第二フォルマントに相当するようです(筆者が間違って理解してるかもしれません)。 注意することは、母音図の口のイメージに合わすため、軸のメモリが反転しています。数値的には普通は左下が原点(0,0)ですが図では右上が原点です。
以下の図はパソコンでPraatというソフトで音声データを処理し、エクセルで図を作りました。Praatは専門的なソフトで取っつきにくいところがありました。よくわからず、測定点は5点だけです。
軸はHzという周波数の単位で、左下に行くほど高音側になります。ブルーの点は「あ」の発音のつもりです。赤の点は「お」です。個人的な発音ですが「あ」の範囲がばらついています。逆に言えば、外国人から見るとなぜ違う発音なのに同じ「あ」なんだということになります。違う発音なのに、同じと無意識に思い込んでいたのは、衝撃的なことでした。本当は「赤」と「丘」の発音で「か」がokaは「お」に引きずられて、「か」が「お」に近い音になってるのではと思ったのですが、意識すると、「oka」でも大きく口を開いた発音になります。微妙で、きちんとデータを取るのは難しいと思いました。
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