2017年11月4日土曜日

安田組、組紐

 安田組は「あんだぐみ」と読みます。第六十九回正倉院展図録の最後の方の用語解説にありました。一間組《いっけんぐみ》を見よ、とのことでそちらを引用します。
「一間組・・組紐の組み方の一種。一条の進行経路が、他の条と交差するに当たり、他の一条の上に、また他の一条の下になりながら平面を形成してゆく。新羅組《しらぎぐみ》ともいう。なお正倉院の一間組は、組織を構成している各一条が、右撚《みぎよ》りの糸と左撚りの糸から成り立っており、一条があたかも一本の組紐のごとき様相を呈する点に特色がある。」
 これを見て、図録本文のどこにあるのだろうと最初から見ていきました。するとNo.51の雑帯《ざったい》(組みものの帯)にありました。丸い文様だったらどうしようと不安でしたが、斜め格子でした。手法の詳細はわかりませんが、とにかく格子であったので、万歳の気分です。安田組=格子模様ということです。 今までは、安田の「安」が、唐の都、長安の「安」を表し、その都が条坊制なので、それを取り入れた田んぼの安田が条里制の田を表すと、私自身は納得していたのですが、他の人にはわかってもらってない感じでした。安田組から安田=条里制の田ということが、確定したと思います。また、安田組という言葉があることから、奈良時代には多くの人に「安田」ということが認識されていて、格子状の用語として使用されていたということです。少し前の日本書紀の編纂された時代にも「安田」という言葉が一般であって、当時の人には条里制と理解されていたと思います。
 最後に安田組の文様を示します。

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