『歴史発掘⑧祭りのカネ銅鐸』佐原 真、講談社 (1996/7/29) に銅鐸の写真が多く掲載されています。 のこぎりの歯のようなギザギザ紋様が出てきます。これは銅鼓でもあります。似ているのも偶然のようにも思えます。しかし、上記の本で53ページに[紋様の方が絵よりも大切]として、
銅鐸は、これまでにおよそ四三〇個みつかっています。そのうち、絵のある銅鐸は五〇個ほどですから、一〇個の銅鐸のうち、絵のある銅鐸は一個強にすぎません。銅鐸に絵を描くことが、それほど大切では無いからでしょう。絶対多数の銅鐸には紋様があります。しかも、それには重要な事実があるのです。 鋳造が失敗し、紋様が見えない場合、鉄の刃物で紋様の線を補っているのです(図87)。一方、鋳造がうまくいかず、絵が見えなくても補刻しません。途中で絵が消えていても、そのままなのです。この違いもまた、弥生人にとっては、銅鐸の紋様こそが大切で、絵はそう大切ではなかったことを示しています。
このあと、紋様については意味がわからないが、絵は理解できるので私たちにとっては重要という話に展開します。しかし、紋様の意味はわかりませんが重要であるということは、銅鼓で重要と思われていたのが銅鐸にもあるということは、農耕祭祀の考えも中国から日本に伝わったということになります。 銅鐸には、連続渦巻き紋という蚊取り線香をつないだ紋様がありますが、この基本形の円を接線でつないだ形が銅鼓にあります。見にくいですが、
銅鼓と古墳壁画の下の図です。
特徴的な紋様で似ていると思います。 しかし銅鐸にはある流水紋と呼ばれる線の折り返しのようなものはありません。銅鼓には、櫛を使うという発想がなく、日本で新しく生まれた紋様かもしれません。
銅鼓と銅鐸というのも書いてます。
0 件のコメント:
コメントを投稿