『これでも言語学 ―中国の中の「日本語」』牧秀樹、開拓社 (2021/5/25) の最後の方だけ見ています。 17章に中国語の仮説が述べられています。
Zhangらによる2019年のNatureというジャーナルに掲載された Phylogenetic evidence for Sino-Tibetan origin in northan China in the Late Neolithic(シナ・チベット語の起源が後期新石器時代の北部中国にあるとする系統発生的証拠)という論文の中でも、シナ・チベット語は約5900年前に出現し、後に、西方のチベットと南方のミャンマーに移動した集団と、東方と南方に移動して中国語となった集団に分岐した可能性が高く、シナ・チベット語族の発祥地と時期について提案されている二つの仮説(北方起源仮説と南西起源仮説)のうち、北方起源仮説では、約4000~6000年前に中国北部の黄河流域に出現したとされ、南西起源説では、9000年以上前に東アジアの南西部に出現したとされています。
つまり、中国語とチベット語は、もともとは、同じ祖先に属しており、6000年ほど前から、二つに分かれ始めたということです。これらのいくつかの要素を考えると、中国語も、もともとは、SOV言語で、何らかの理由で、SVOに変わったのではないかと仮説を立てることができそうです。それが、、中国語動詞・前置詞移動仮説の中身です。実際、Li(1990)は、現代中国語の基本語順は、現代日本語同様、SOVだと提唱しています。
Liの文献は、参考文献で挙げられている Li,Y.-H.Audrey(1990)Order and Constituency in Mandarin Chinese,Kluwer,Dordrecht. と思います。中国語動詞・前置詞移動仮説については省略。
18章で、日本語が通って来たかもしれない道として
・対馬ルート:朝鮮半島から対馬経由で西日本に入るルート
・北海道ルート:シベリアからサハリン経由で北海道に南下したルート
・沖縄ルート:台湾付近から琉球列島に入るルート
が挙げられています。私個人の曲解かもしれませんが、中国語がSOVの時代に、中国からダイレクトに日本にやってきたと考えてもおかしくはありません。
基本的な知識がないのだろうと思います。何を行ってるのか意味不明のところがあります。sovからsvoに変化したのは甲骨文字から漢字の文字の使用によるということのようです。この辺はうれしいところです。消化不良ですが、今後の課題で、メモ書きとします。 このブログでもSVOでだいぶ書いてました。
有声音・無声音とか有気音・無気音とかも書いてます。 2021年9月から10月にかけてです。『これでも言語学』では注目されていないのが残念です。本とか出てても知らないだけかもしれませんが。
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