「声明」とは、法会などで僧侶がフシをつけて経文 を唱える声楽曲のことで、フシがなく読むだけならば 「読経」といいます。
声明は古代インドのバラモン僧が学ぶべき五つの学問の一つで、文法学や音韻学を意味しています。それが中国で漢訳されて「声明」と書かれるようになりました。中国には前一世紀ころに伝わり、三国時代に現在のような様式が確立したといわれます。 日本へは仏教と同時に伝来したと考えられています が、はっきりしたことは不明です。日本で声明に関す る最初の記述は、各宗派ごとに異なっていた「転経唱 礼」(=声明の唱い方)を、七二〇年に唐僧の道栄を招 いて統一する作業がなされたというものです。また七 五二年、東大寺大仏の開眼法会において「散華」や 「唄」など、いわゆる「四箇法要」がおこなわれたこ とも記録に残っています。日本で声明と呼ばれるようになったのは中世以降で、それ以前は「梵唄」「唄置」と呼ばれていました。・・・『日本音楽叢書 三 声明』木戸 敏郎、音楽之友社、1998/12/10、68ページ
声明には楽譜があり、「博士(はかせ)」といい、二種類あります。 以下は、「聲明(しょうみょう)」以後 : 博士(ノーテイション)の解読と声 ... の115ページを見ています。
「ハカセ」は、本来は「フシ」と発音すべきとのことです。古博士と目安博士で元々は古博士であって、譜例1に示されるもののようです。(PDFの中の図を引用)
初重から三重まで三オクターブあり、一オクターブが五音、つまりドレミファソラシドのファとシの四七抜きの五音で構成され、時計回りに字の周りに配置されます。実際は「宮」「商」「角」「微」「羽」の漢字での音名です。サンスクリット的な配置に感じます。目安博士は音程を曲線で表したものになっていきます。これも縦に並べていて並べていて、縦書きに対応しているようです。『図解日本音楽史』では、宗教音楽「グレゴリオ聖歌」のネウマ譜という旋律を図形で表していて、これが目安博士と似ているとしていますが例示がないので、よくわからないところです。後の五線譜は横向きなので、ヨーロッパの横書き文字と対応していて、目安博士の漢字の縦書きになるので、楽譜も文字言語の影響を受けているように思われます。
ちょっと問題になるのがアラビア文字です。右から左に記述されます。一体どういうふうにアラビア音楽はなるのかと思います。
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