2022年5月12日木曜日

水分神社

 奈良県にこの名前の神社が多いように感じました。水分とは「みくまり」と読み、水を配る(みずをくばる→み・くまる)の意味のようです。 これで思い出すのが、酒船石遺跡(さかふねいしいせき)です。配水システムを具体化したように見えます。水分神社と酒船石は時代が近いような気がしてきます。以前にも 酒船石とカナート
とか言ってました。 『社寺縁起伝説辞典』戎光祥出版 (平成21年/12/20)を見ると、二社しかありません。 惣社水分神社と都祁水分神社です。 惣社水分神社の項には、

【祭神】天水分神《あめのみくまりのかみ》・国水分神《くにのみくまりのかみ》・天児屋根命《あめのこやねのみこと》
【縁起・伝説】惣社水分神社の正式な呼称は、芳野鎮座式内総社宇陀水分神社《ほうのにますしきないそうじゃうだみくまりじんじゃ》である。「延喜式」新年祭祝詞に載る、吉野水分神社(吉野郡)、宇陀水分神社(宇陀郡)、都祁水分神社(山辺郡)、葛城水分神社(葛城郡)の四水分神社の中の宇陀水分神社を指すのであろう。上に挙げた、大宇陀町、菟田野町、榛原町一帯の水分神社の惣社として信仰の中心であった。 「水分」は水の分配を掌る意で、淀川の源流部である芳野川流域の水の守り神として崇められている。水分神社の祭神は『古事記』に登場する天之水分神(山頂の水を分配する神)と国之水分神(地上の水を分配する神)である。灌漑用水と飲料水の分配源を掌っていて、必然的に水分信仰は農業と深い関わりを持っていた。・・・

都祁水分神社の項では、

「延喜式」神名帳山辺郡の「都祁水分神社」に比定される旧県社。
【祭神】速秋津彦命《はやあきつひこのみこと》・天水分神《あめのみくまりのかみ》・国水分神《くにのみくまりのかみ》
【縁起・伝説】創始は詳かではないが、「延喜式」新年祭祝詞に、「水分に座す皇神等の前に白さく、吉野・宇陀・都祁・葛木と御名は白して」とあり、「文徳実録」「三代実録」にも記載される由緒ある神社である。・・・

「白さく」は「まうさく」と読むようです(多分)。【参考文献】「水分神社縁起」(神道大系)とか「都祁水分神社縁起」(神道大系)があるので見てみたいとは思います(忘れなければの話です)。

0 件のコメント:

コメントを投稿