天体図(ここでは天文図と区別してません)の南側の星に老人星と考えられている星があります。以下です。
天文図部分
元図はここ
北緯38°の平壌では「老人星」は見えない (『キトラ天文図』に関する誤解)
老人星ですが、中国の名前で、普通はカノープスと呼ばれる星です。
天津市天文学会の趙之コウ(王+行)理事によると、「老人星」とはりゅうこつ座のアルファ星・カノープスを指し、太陽を除くと全天で2番目に明るい恒星。この星は中国古代より、吉祥・長寿・健康を代表する吉星、福星、寿星とされてきた。ただしやや南寄りにあるため、北緯37度以南の地方でしか見ることはできない。(https://spc.jst.go.jp/news/121003/topic_2_03.html)
のようです。ほぼ地平線上にあり、見えたり、消えたり微妙で、存在してるのか消えてしまったかわからないので、死にかけの老人のイメージかと思っていました。
『ヴィジュアル版 星座図鑑』、藤井旭、河出書房、1999年2月10日の5頁に緯度の違いによるカノープスの見え方の図があり、那覇付近では見えるのが、東京付近でぎりぎり、札幌付近では見えないとあります。星座盤の使い方とか載っていますが、古い時代なので、今はこのようなものを使わないのではと思われます。星座盤を買おうかと思いましたが、パソコンとかで見ることができ、便利な時代になりました。
星座盤ソフトを探したところ、 「Mitaka バージョン1.7.2 (標準解像度版天の川、地形データ無し) (2022/01/18 Release)」 がありました。しかし、高級すぎて使いにくそうです。以下のソフトが簡便で、こちらで星の動きをシミュレーションしました。
Stella Theater Lite Ver3.02 (2010/02/05)
このStella Theater Lite ver3.02で奈良県を観測地にしてカノープスを観測しました。楽なものです。奈良県、緯度は34.7°になってます。結果はほぼ地平線の付近に少し出るだけです。見えるときでも一晩見えるということはありません。しかも夏は見ることができません。見えたらラッキーであるというのもわかります。朝鮮半島では見えないように思います。キトラ天文図は朝鮮半島で観測したものではないことは確実です。中国でも北の地域は難しく、敦煌なども無理そうです。中国の南の方とか、インドとかは大丈夫です。メソポタミアも日本と同じような緯度で観測可能です。
ここからの妄想ですが、以前に「太陽の道」という北緯34度32分のラインがありました。ひょっとして、この道の延長で「メソポタミアへの道」かもしれないという気もしてきました。ササン朝ペルシャと天武天皇が結びつくかもしれません。
以下に「太陽の道」のことがあります。 室生寺と天武天皇
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