以前の記事で上海語の話者が、有声音・無声音を区別するとありました。
「有声音・無声音と有気音・無気音についての日本語」、
これの元は『音声を教える(国際交流基金日本語教授法シリーズ2)』国際交流基金, 磯村 一弘、ひつじ書房 (2009/2/18) です。
ネットで探すと、詳しくは
音声面では、子音に清濁(有声子音と無声子音)の区別があり、古音の入声も残っている。特に前者の特徴は他の中国語方言には一般に見られないものであり、この地方の日本語学習者にとっては学習に有利に働くことが指摘されている(山本,2004)。
中国・上海の学習者による日本語の有声子音・無声子音の知覚と学習
がありました。
上海語について調べてみました。上海語は中国七大方言の一つです。呉と言われる地域で地図を見ると日本と近いです。
『ニューエクスプレス 上海語』榎本 英雄、范 暁 、白水社 (2010/4/5) を図書館から借りてきました。
文法は標準語と基本的に違いはないとのことですが、発音は全然ちがうようです。声調が4つではなく5つとかで、中国語にもいろいろあるなと思います。子音ではrの音ががなさそうです。漢数字では、「二」が「ニー」です。標準語では「アール」で違います。「五」が[ng]で、「ング」のようで日本語のゴーに近いです。標準語では「ウー」なので、数字の読みは、上海語の方がより近いと思います。 人称代詞で、第一人称複数は一つしかなく、相手を含むか含まないかの区別はありません。この点は日本語に似ています。
人を[ゼン][ニン]と発音するのは日本と近いなと思わせます。しかし、あとは、パット見では見つかりません。発音が近いと言っても文法的には日本語と上海語は完全に別物です。
とは言うものの、音声的には、上海語では有声・無声の区別の言語であったのが日本へ伝達し、その後、上海では、北方の有気音・無気音の影響を受けたこともあり得ます。日本語は、北方の中国語の影響が離れていて小さく、上海語の原始的な古い形を残しているということになるかもしれません。
地図を見ていて、呉の南が閩(ビン)というところです。現在その中で福建省がここにあり、泉州市があります。この地と、いわゆる「和国の泉」である和泉(いずみ)とで、地名つながりがあり、日本と近い位置にあることから、改めて、古い時代に交易があったと妄想します。
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