2018年7月30日月曜日

山田・山本の再考

 以前に、山田について山本の田んぼであると言ってましたが、間違いかもしれないと思うようになりました。
棚田学入門、棚田学会著、勁草書房発行の第2講に棚田の歴史について述べられています。
棚田のはじまりで、歴史についてはまだ十分に解明されていないものの、傾斜地での水田造成そのものが、弥生・古墳時代まで遡ることは間違いがなく、棚田という語は、南北朝期に初出するものの一般的ではなく、棚田よりも山田の方がはるかに昔から表現されていて、万葉集などに山田に関する多くの歌が収録されているとのことです。「山田」の史料は、平安期にはかなあり検出できるともあります。
 やはり、素直に棚田のことを山田といったと考えた方が良さそうです。山本と山田では、山本の方が古いと思われますが、山本→山田というのは、山本の田んぼが山田というのは考え直さないといけないようです。山本も山の麓の意味と考えれば、傾斜の緩やかな棚田を表すと言えなくもありません。最初は簡単に造成できる所から水田が開発され、土木工事のレベルが上がって傾斜のより急な部分を含めた山田という棚田になっていったかもしれません。
 江戸時代以降に開発された棚田も記録に残っているようですが、最初に棚田が開発され、その後、条里制のような大規模の開発につながった可能性もあるように思われます。岐阜県に安田が多いのですが、山田も多いので、水田の開発が急激に進んでいて、かなり同時期的に開発されたように思われ、時代を細かく見ていく必要があるように感じました。
以前の話は
名字:山本・山田(再)

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