白虎は四神の一つ、「びゃっこ」と読みます、「しろとら」ではありません。昔からそう発音したと思われます。しかし、「虎」は訓読みで「とら」です。日本には存在しない動物なのに「とら」とどうしてこのように読むのか疑問に思います。
虎について、
『日本国語大辞典第15巻』、小学館、昭和62年9月20日第1版第12刷発行 によれば
1.人里から離れて住む動物であることからトヲラカの反[名語記]。
2.恐ろしくてトラ(捕)まえられぬところからか[和句解]。
3.人をトラユル動物であるところから[日本釈名・和訓栞]。トル(採)の義[言元梯]。・・
4.朝鮮語からか[名言通・日本語源=賀茂百樹]。
5.虎の皮はマタラ(斑)であるところから、マタラの転か[類聚名物考・言元梯]。
6.朝鮮の古語で毛の斑を意味するツルの転[大言海]。
7.トは、虎をいう楚国の方言オト(於菟)から、ラは助語[箋注和名抄]。
とあります。こじつけが強くて説得力を感じません。外国語では虎をどう呼ぶか、以下にありました。
http://www.tekiro.main.jp/?eid=170647
https://takonote.com/animal/tora/
などです。韓国語の「ホランイ」が近そうですが、かなりの変化がありそうで、直接的ではありません。中国語では「老虎 ラオフー 」「虎 フゥ」です。「老」が付いた言い方もあります。先生とかも「老师Lǎoshī」といいます。「师」だけでも良さそうです。想像ですが、短い発音だとわかりにくく、「フゥ」だけではうまく伝わらないのではと思います。老虎もおじいさんのトラではないはずです。日本語でも音読みで「コ」と聞いてもわからないので、「トラ」をどこからか持ってきたと思います。漢字一般の日本にあった発音が訓読みになったのではなく、わかりにくい音読みの言葉に、訓読みをあとから作ったということになります。
白虎が、メソポタミアに起源を持つかということで、調べましたが、どうもなさそうです。オリエント世界ではトラは棲息してなかったのか関係なさそうです。ただ、チグリス川の「チグリス」が、ラテン語のトラの意味で、何かトラと関係ありそうなのですが、見つかりませんでした。
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