日本語の起源と古代日本語、京都大学文学研究科編、臨川書店
日本語のラ行はl(エル)音に近いが、ローマ字ではrで表記する。またハ行音は、p→φ→hの変化をしたことが明らかになっているが、奈良時代はまだpの段階にあった可能性が高い。しかし通説ではφ(f)音であったとされており、表記でもφやfが用いられるので、本書でもfを用いる(古代語ではpに読み換えて欲しい)。古代日本語についてはp音を用いる研究者もいるので、それはそのままpで表記しておく。
仮名の中には現代語と異なった発音のものがあるので注意していただきたい。
①「ち」は[ti]、「つ」は[tu]の発音(室町時代に[tsi][t∫u]に変化)。
②ア行「え(e)」とヤ行「江(ye)」の区別あり(10世紀半ば頃に合一)
(平仮名の体系は「え」「江」の区別がなくなってから固定したために、ヤ行の「ye」を表す仮名が無い。仕方がないので「江」で代用する習慣である)。
③ア行の「お(o)」とワ行の「を(wo)」の区別あり(平安時代末に合一)。
④ア行の「え(e)」とワ行の「ゑ(we)」の区別あり(鎌倉時代に合一)。
⑤ア行の「い(i)」とワ行の「ゐ(wi)」の区別あり(鎌倉時代に合一)。
とあります。
現在ある名字とか地名も、過去から引き継いでいるので注意しないといけないということだと思います。今まで勘違いしてたことも多いはずで、今後は注意したいと思います。
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