2018年6月10日日曜日

日本語の起源

 梵字からヒンディー語を見ていたのですが、文字そのものは全く関係ないように思われますが、文の構造は似ているようです。
「まずはこれだけヒンディー語、高村 青著、国際語学社」からの抜き書きです。
英語では、「I am a Japanese.」で、「主語+動詞+補語」の順になりますが、ヒンディー語、日本語では「私は(マェン)日本人(ジャーパーニー)です(フーン)」という風に、「主語+補語+動詞」の順になるそうです。同様に、英語では「I speak Hindi」のように「主語+動詞+目的語」の順が、ヒンディー語、日本語では「私は(マェン)ヒンディー語を(ヒンディー)話します(ボールター フーン)」と「主語+目的語+動詞」となります。
と書いてありました。語順が似ています。
 また、インドの横のミャンマーという国(日本ではビルマとよばれていた)の言葉も文字がわかりにくいですが、日本語と同じ語順で一瞬インドに日本語の起源があるかのように思われます。
 大野普氏がタミル語起源説を述べられています。タミルは南インドです。サンスクリットから梵字が日本に伝わったことを考えれば、ありうる話です。
 漢文や英語ではS+V+Oの形式で、日本語が特殊なように思っていましたが、S+O+Vの形式の言語はいっぱいあることを今回知りました。朝鮮語は文字がハングルですが、単語を日本語に置き換えれば、日本語になるようです。モンゴル語もロシア文字のようですが、語順は日本語と同じとのことです。アイヌ語も語順は日本語と同じです。フィリピンのタガログ語はV+Sの形で、いつもいつもS+Vではないこともあるので思い込みには注意しないといけないです。
世界の言語ガイドブック2アジア・アフリカ地域、東京外国語大学語学研究所編、三省堂を借りてきて、見ています。間違いを承知でまとめました。
・S+V+Oの形式
カンボジア語、スワヒリ語、タイ語、中国語?(語順の説明なし)、ベトナム語?(語順の説明なし)、マレーシア語、ラオス語
・S+O+Vの形式
アイヌ語、サンスクリット語、チベット語、朝鮮語、トルコ語、日本語、ネパール語、パシュトー語、ビルマ語、ヒンディー語、ペルシャ語、満州語、モンゴル語
・その他(不明も含む)
アラビア語、インドネシア語、タガログ語

インドから日本に到達するには、S+V+Oの地域を乗り越えて行かないとだめなのでタミル語起源説は苦しいところがあります。
 V+Sはおいといて、S+V+Oの形式とS+O+Vの形式のどちらが優れているかといえば、文字の導入された状態では差がないように思えますが、音声の言語としてはSOVが優れていると思います。一つの文を考えた場合、SOVでは動詞がくれば、それで文が終了したことがわかります。SVOではOの部分が長くなる可能性があるので、文章の終わりが、わかりにくくなるように思われます。英語の電信ですが、文の終わりにフルストップをつけることがありました。
 しかしよく考えれば、否定文の時に話が違ってきます。否定を早く伝達することが大事なので有利さは逆転します。S+notV+OとS+O+notVでは差があります。日本語で、話を聞いていて、最後になってから、「*****ではありません」と聞いて驚くことも誰もが経験していると思います。SOVは肯定的、現状維持的な文章、SVOは現状否定的な文に有利です。SOVは保守的、SVOは革新的な語順と私には思われます。
 日本語の起源と古代日本語、京都大学文学研究科編、臨川書店発行
この本の中に遺伝学の話があります。76頁からわかりやすくまとめられています。
人間の拡散
 遺伝子の研究によれば、現世人類の原郷はアフリカで、10万年~15万年前(年数は概数とのこと)、アフリカに住んでいた現世人類の一部がアフリカ東部から「中東」へ移動した。これを「出アフリカ」と呼ぶ。・・中東の説明省略・・・「中東」にたむろしていた人類は、一部が6万年前、東へと向かう。通常、人が移動するのは食べられなくなったことが原因であることが多い。人口が増えすぎたり、気候が変化した場合である。東に向かった人々は、海岸線に沿って南へ向かい、印度、マラッカ海峡、そしてスンダランド(マレーシア・インドネシア・ボルネオなどで陸続きになったところらしい)、サフルランド(ニューギニアとオーストラリアの陸続きになったところらしい)に到り、4万年前にはオーストラリアにまで到ったという。
 もう一つの経路は北ルートで、「中東」から、ヒマラヤの北を通って、シベリアの方に移動した。この北ルートへの移動時期は南ルートよりも遅かったと言われているが、そのルートと時期はまだはっきりとしない。4万年程前にはシベリアに到っていただろうと言われている。スンダランドに到った人々が北上してシベリアに向かったと考えている研究者もいる。それ以外の地域にも、小集団がいろいろなルートを通って移動し、生活できるところがあればそこに定住したことだろう。
 その後、「中東」に残っていた人々の一部が、5万年ほど前に北西へ移動してゆき、ヨーロッパに広がった。それがコーカソイド(白人種)と呼ばれる人々になった。東に進んだ人々はモンゴロイドと呼ばれる人種になる。・・・途中省略・・・
 日本人は、北海道アイヌ・琉球人・本土人、全て北方モンゴロイドに属することは、今はほぼ共通の理解になっている。台湾は南方モンゴロイドである。沖縄と台湾の間に南北モンゴロイドの境界があり、台湾から琉球列島を通って日本列島に南方の人間が広がり、縄文人になったという説は成り立ちにくいとされる。・・・
遺伝子の研究では、ミトコンドリア遺伝子、Y遺伝子、核遺伝子、免疫グロブリン遺伝子による研究があるらしく、違いが出ておりその解釈も考えないといけないとのことのようです。
 地図がないので、わかりにくい文章になっていますが、人類の最初の頃から言語があったとすれば、最初は語順とかの制約のないものであって、その後、世界に広がっていく中で、SOV型の言語となり、突然変異的にSVOに変化した地域が中国など出てきた。と考えれば、インドのタミル語と日本語が古い時代の形式を持っていて似ている部分があると考えられなくはありません。中国なども昔は(文字のできる前、何万年か前のこと)はSOVであったとすれば、話はもっと単純になります。完全な妄想ですが。


アフリカ単一起源説

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