日経サイエンス2021年8月号の記事です。日経新聞以下にあります。
東京大学の大橋順教授らは、ヤフーが2020年まで実施していた遺伝子検査サービスに集まったデータのうち、許諾の得られたものを解析した。1都道府県あたり50人のデータを解析したところ、沖縄県で縄文人由来のゲノム成分比率が非常に高く、逆に渡来人由来のゲノム成分が最も高かったのは滋賀県だった。沖縄県の次に縄文人由来のゲノム成分が高かったのは九州や東北だ。一方、渡来人由来のゲノム成分が高かったのは近畿と北陸、四国だった。特に四国は島全体で渡来人由来の比率が高い。なお、北海道は今回のデータにアイヌの人々が含まれておらず、関東の各県と近い比率だった。
以上の結果は、渡来人が朝鮮半島経由で九州北部に上陸したとする一般的な考え方とは一見食い違うように思える。上陸地点である九州北部よりも、列島中央部の近畿などの方が渡来人由来の成分が高いからだ。大橋教授は「九州北部では上陸後も渡来人の人口があまり増えず、むしろ四国や近畿などの地域で人口が拡大したのではないか」と話す。
この記事の図です。キャプチャしました。
元図は以下のリンクからです。この図を見ていて、昔の 奈良県基準の名前相関マップと案外似てると思いました。以下です。再掲します。奈良県基準で1.0、相関が弱いほど白っぽくなります。
この図は奈良県に近いところほど、黒い表示になってます。律令体制が整備され、それによって識別のための名前が作り出されてときの影響(奈良時代の影響)を受けたマップと考えています。ゲノム分析から、渡来人の移動が、太平洋側の四国から始まり、近畿地方、北陸地方に進んだのかと思われ、この痕跡が7世紀にも残っている可能性は十分考えられます。高知県が案外、奈良県に近い理由がわかる気がします。
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