「ミヅ」と読むようです。 『日本語の起源 ――ヤマトコトバをめぐる語源学』、近藤健二、筑摩新書(2022/1/10)を借りてきました。
日本語の起源は古代中国語にあった。古代中国語音と古代日本語(ヤマトコトバ)の音の対応を数多くの実例に基づき検証。日本語の古層をめぐる新説を提唱する。
とのことです。最初の方に水のことが書いてあります。『日本国語大辞典』に12説あるとのことで、簡単に紹介されています。どれも苦し紛れの説に思えますが、 漢字起源説をとる著者も付け加えるとのことです。
ミヅ(水)
ミ 碧(ヒャク)「あおみどり」
ヅ 水(スイ)「みず」
◆碧水(ヘキスイ)青い水
と示されています。ここでは発音記号はうまく表記できないので省略しています。ヘキスイを中国語の読みでミズと発音したとのようです。説得力が感じられませんが、水を「スイ」と読んでたのは確かそうには思います。私も説を付け加えます。 元々「スイ」と発音していたのを丁寧に言うため、{御「スイ」}と言い始めます。「ミスイ」です。これが「ミズ」に変化しました。今は「ミズ」では丁寧さがなくなり、普通になってしまい、さらに「オミズ(御水)」になっていると考えられます。漬け物が「オミオツケ」になっていったようなものです。将来、「ミオミズ」になれば、証明されたことになりそうです。
しかし、漢字起源説は古い時代まで遡れるかはわかりませんが有力な説です。訓読みと思っていても実は音読みだったということも充分ありえます。
追記:R05.01.01
初詣で、おみくじを見ました。これも「くじ」に「み」がついて、さらに「お」が追加されたものです。水も、もともと神事では神聖なものであったはずなので「ミスイ」のような気が、ますますしてきます。
追記(R050218)
水の読みですが、「みづ」とありました。ローマ字では「midu」で、「mizu」ではありません。
「みづ」では
(平安時代)みどぅ
(南北朝時代)みどぅ
(室町時代)みず
(江戸時代)みず
とあります。dからzに変化したということになります。
『知らなかった! 日本語の歴史』浅川哲也、東京書籍 (2011/8/12)
「じ・ぢ・ず・づ」の仮名は「四つ仮名」といいます。室町時代の中頃から「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」を発音上で区別することが難しくなり、そのため四つ仮名の混乱が生じます。江戸時代の元禄年間(一六八八〜一七〇三)までには「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」を発音上で区別することが一部の方言を除いてできなくなっていました。
発音の違いに基づく仮名の書き分けが不可能になると、四つ仮名は「仮名遣い」の問題になります。仮名遣いとは正書法としての知識の問題です。四つ仮名の仮名遣いを取り上げた早い例としては『仮名遣近道抄《かなづかいちかみちしょう》』(寛永二年・一六二五)があります。
この中に「ず」と「づ」の例がありました。
「見ず(みず)」と「水(みづ)」です。
「現代仮名遣い」では、原則「づ」を使わないので「みず」で良いのですが、その前の時代は「みづ」で、平安時代以前に「みず」と発音していたことがあったのかということになります。
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