2018年11月12日月曜日

第70回正倉院展、山水図

先日出かけてきました。多数の人が見学されていて、中国語も聞こえ、国際化していて、どんどん混雑の度合いが増してくるのかもしれません。出品されるものは入れ替えられるとのことで、十年は見ないといけないらしいので、まだ道半ばです。今年は進歩して、図書館で正倉院の宝物の大型本を見て、予習をしました。出品されるものとの対応がわかりにくく、探せないものとかあり、難しいなと思い、今後の課題です。その中で山水図というのがあり、この中で馬が描かれていて、興味をもち、実際のもので確認しようということで、展示してあるガラスの面にへばりつきましたがわかりませんでした。買ってきた「正倉院展」目録を見ても、小さくてよくわかりません。
ところが、宮内庁の正倉院宝物検索というところがあり、詳細に見ることができました。ありがたいことです。
山水図は1と2があり、今回出品のものは山水図2の方です。
下図は切り取りしたものです。

会場の説明では中央の鳥居のようなものは門との説明がありました。私には高床式の倉庫(正倉院の建物のミニチュア版)のように見えましたが、別の宮内庁の山水図1では周りに塀らしきものがあるので、やはり門のように思われました。そうすると門の右側にある棒状のものは旗のような目印を掲げるもののように思えてきます。左の方の家ですが、格子状の部分は壁のようで、のれんのようなところが出入り口になっているようです。屋根の上の丸いものはおそらく石で、屋根を押さえているのだと思われます。想像していくと面白いものがあります。
この図の元は
http://shosoin.kunaicho.go.jp/ja-JP/Image/ViewerMain/0000010945?imgNo=CO0000001697&clp=0,0,2353,2941,640,800,0&uq=1541984291494
にあります。切り取りのみで画像の編集とかしていません。
以下の図も同様に宮内庁の検索で出てきたものです。

次の図は、小舟と二人の人物です。二人は座っていて、船には誰も乗っていません。想像するに、この二人は渡し船の船頭さんで、客の来るのを舞っている情景に見えます。職業として成立しているように思えます。つばのある帽子をかぶっているのは渡来の風俗のように見えます。
この図も、上記のところからの切り取りです。


次の図は三人の人物と家があるところです。こちらの家も屋根に石をのせているように見えます。柱だけで壁がなく、雨宿りの建物のように見えます。人物三人のうち、右側の人は背が丸まった老人のようで、視線は左手の二人を見ています。中央と左手の人間は対面しており、中央部の人物は小さく描かれていて、子供のようです。首をうなだれているようで、親子で説教を受けている雰囲気です。目録の解説では左の人物は獣皮に座っているとありますが、確かに獣皮のしっぽのようなものがあります。

次のが見落とした馬に騎乗する人物の図です。
図のスケールは5mm、1cmの目盛がありますが、わかりにくいと思います。会場の人混みの中で探し出すには困難でした。二人の水平垂直の交点に犬らしき動物がいます。この動物を追っているのか、使って狩りをしてるのかはわかりませんが、狩猟をしている風景に見えます。



タイトルは山水図となっていますが、図を見ると、ススキの穂がなびいているようなところが全面にあります。どうもこの部分は、波が連なっている様子を表しているようです。つまり絵としては山水水図みたいです。後の絵巻で雲が表されるところが水面なのかと妄想は膨らみます。

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