梵字の五十音図を見ました。
梵字は表音文字です。ひらがなの「か」をローマ字で表せば、「ka]となります。「き」はローマ字では[ki]ですが、梵字では[ka]+[i]で「き」になります。
ローマ字の[ka]では「k」+「a」の子音+母音の組み合わせですので、横書きで左から右方向に向かう並びになります。ひらがなであれば特に方向は関係なく縦書きでも問題ありません。梵字も同様のようです。梵字について、五十音図でかなりわかりますが、表音文字で「あ」、「か」、「さ」、・・・の「あ」の行が基準になり、子音に相当するものが「い」行、「う」行とついています。ひらがなであれば、「か」の列、こちらをか行というのかもしれませんが、縦の列の文字からは「k」音を感じることはできません。梵字であれば、子音の字形のどこかに母音を示すものがついて、縦横の関係でなんとなくわかるような気がします。梵字では母音に相当するものが日本語のあ~おの五音より多くありるので、縦に伸びることが考えられ、実際はもっと多いはずで、違いはありますが、かなの五十音図は基本は梵字の悉曇学にあるようです。
ひらがなは漢字の草書体から取り入れられたというのが定説ですが、納得しにくいところがあります。この梵字の五十音表を見ていて、「つ」のところです。拡大します。
「つ」は手元の五體字類を見ると、門、川、都、徒、津などから取り入れられたようですが、梵字からではという気がします。「つ」は梵字の下の部分ですが、「う」の字も梵字の上部が点になったように思われます。「す」の字も下の方のくるっと回ったところなど似ています。
漢字は直線的であり、梵字は曲線的なようです。これを考えると
漢字→カタカナ
梵字→ひらがな
ということになります。無理を承知で言ってますが、部分的には梵字が仮名に取り入れらた可能性はゼロではなく、仏教を日本へ持ち込んだ時に、梵字の簡略化されたものが用いられたものの、日本では種子《しゅじ》として諸仏諸尊をあらわしており、神聖なものとして、利用が制限されてしまった可能性はあります(単なる想像です)。紀貫之の土佐日記も何かしらの制約があったのではと思います。
あ
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