2018年10月25日木曜日

インダス文明の衰退原因について

環境人学と地域、インダス 南アジア基層世界を探る、長田俊樹編、京都大学出版会発行
を見ています。インドについて古い本を見ていると、かなりの認識の差があり判断をあやまる可能性があります。インダス文明とはインド・パキスタン・アフガニスタンのインダス川および平行して流れる川のあたりに栄えた文明とされています。
タイトルの衰退原因ですが、
1.アーリア人侵入破壊節
2.メソポタミアの貿易停止説
3.社会的文化的変容説
4.森林破壊大洪水説
5.インダス川の河流変化説
6.インダス川自然ダム水没説
7.サラスヴァティー川消滅原因説
8.気候変動説
があげられています。
1の説には、イギリスの考古学者ウィーラーで、モヘンジョダロにおける虐殺跡とされる人骨の発見である。これと「リグ・ヴェーダ」の中の記述の「砦」などと結びついて生まれた説という。この説はa)アーリア人の侵入した年代とインダス文明の衰退した年代にはかなりの差があること、b)モヘンジョダロで発見された人骨は決して虐殺されたものではないこと。c)「リグ・ヴェーダ」は神話であり、これがどこまで史実を示しているかということがあるとのことである。
 最終章においてもアーリア人侵入破壊説の否定が述べられている。この本は2013年に出版されたのであるが、2011年にもまだ旧態依然として訂正されていない穀物倉の写真があると書いてあり、一度定説化したインダス文明像を覆すのは大変であるとのことです。海上交通とインダス文明という章立てやネットワーク共同体としてのインダス文明なども述べられています。私の理解するところ、中央集権的な絶対王権の世界では無かったということだと思います。古代の日本も大和政権が絶対的なものではなかったと考えることに通じていくように思います。

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