2023年4月13日木曜日

朝鮮語と日本語の分岐点

 『ことばは国家を超える ――日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義 (ちくま新書)新書』田中克彦、筑摩書房 (2021/4/10) の中に、金大中大統領訪日、金大統領の国会演説の一部が載ってました。朝鮮語と日本語は似ている例です。ほかにもあると思いますが、ネットで同文を探し[注1]、グーグル翻訳しました。ハングルがわかりませんので、アルファベットです。以下、文字のズレがありますが、示します。太字で対応がわかると思います。


han-il yang-gug-eun hamkke ulal-altai gyetong-ui
韓日  両国   共に、 ウラル・アルタイ系統 

eon-eoleul sayonghago iss-eumyeo
言語   使用 して お 

bulgyowa yugyomunhwado gong-yuhago issseubnida.
仏教や  儒教 文化  共 有 して い ます


朝鮮語と日本語は、単語・発音・接尾辞などちがいますが、枠組みは同じです。似ていると感じます。どこかの時点で分かれ、別の道を歩んでると考えられます。

共に漢字の文化圏にあるので、単語に漢字からの伝来を感じます。中国の影響がありそうですが、それでも語順の並びが同等であることは大きいです。朝鮮語の発音も中国の発音の有気音・無気音の影響か、日本の有声音・無声音とは違いますが、二次的な問題に思えます。

使用する単語とか、有気音・無気音と有声音・無声音などの違いは時間経過で変化すると思いますが、言語の枠組み的なものは変化が小さいように思われます。金大統領の話の千五百年はどうかはわかりませんが、元々は同じような言語が分離され、発音や単語が別々に変化しても言語のフレームは残ったと考えたいです。著者のタイトルに合わせれば、「国家はことばを変える」ということでしょう。同一のような言語が、朝鮮語と日本語に分かれたのはいつの時代かということになります。

想像の話になりますが、歴史のわかる時代では、白村江の戦いのころではと妄想します。イメージはNATOです。これは軍事的な同盟組織で、第三国(者)による攻撃から互いに防衛するためのものです。当時も百済はゆるやかな倭国連合体の一員であって、唐・新羅からの攻撃に対抗したのですが、倭国側は寄せ集めで大敗しました。倭国は朝鮮半島から除外され、言語的には別れていったように思います。この時には、おそらく統一された日本語のようなものもなかったとは思います。朝鮮語の発展の歴史もしりませんので、妄想段階のお話です。

言語的に証明するものはありませんが、つながりを示す文化的なものはありそうに思われます。以前に 「朝鮮半島の前方後円墳」 

で書いてました。

前方後円墳の時代、朝鮮半島にもあったということは埋葬文化に共通するものがあったということです。朝鮮半島南部と北九州が同一の海洋文化圏として機能していたと想像されます。唐との戦いも。百済という倭国連合への侵略に対する防衛であったと考えられます。

[注1]:以下より取り込みました。 民団新聞 

◆過去を直視し未来志向関係を

尊敬する議員の皆様。

韓国と日本の関係は、実に長くかつ深いと言えましょう。われわれ両国は千五百年以上に及ぶ交流の歴史を持っています。  数多くの人々が韓半島から日本に渡りました。韓日両国は共に、ウラル・アルタイ系統の言語を使用しており、仏教や儒教文化も共有しています。徳川三百年の鎖国の時代にも、日本は韓国と、頻繁に往来しました。  それに比して、歴史的に日本と韓国の関係が不幸だったのは、約四百年前に日本が韓国を侵略した七年間と、今世紀初めの植民地支配三十五年間であります。・・・

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