昔に大阪の地名で小坂であったことを思い出しました。
地名:大阪
小坂(おさか)→大阪の変化です。「を」から「お」になったような気がします。
以下に、上代特殊仮名遣いに関して「お」の変遷が書かれていました。 『知らなかった!日本語の歴史』浅川哲也、2011年8月12日、東京書籍の「上代特殊仮名遣いを発見したのは誰か」のなかで本居宣長の時代にすでに発音の違いは認識されていたとのことです。96頁、
本居宣長の師である賀茂真淵(一六九七〜一七六九)は『語意』(明和六年成・一七六九年)で、古代ではア行の「お」とワ行の「を」の発音が異なっていたとはっきり述べています。・・例文のところ省略・・ 同母兄弟であって、同居もされていた仁賢天皇(意計王《オケオウ》)と顕宗天皇(弘計王《ヲケオウ》)の兄弟の実名が「オケ」・「ヲケ」であるので、ア行の「オ」とワ行の「ヲ」の発音が同じであったはずがないという重要な指摘です。ちなみに「お」は接頭語「おほ(大・多)」、「を」は接頭語「を(小・少)」に通じるので、「お・を」の違いで兄弟の長幼を表すことができます。
あとの方では、117頁に、
ア行の「お」とワ行の「を」は、万葉仮名においては当然のことながら区別されていますし、平仮名・片仮名においても明確な書き分けがあります。ア行「あ・い・う・え・お」が母音の[ a i u e o ]であるのに対して、ワ行「わ・ゐ・う・ゑ・を」は頭音に半母音[w]のある[ wa wi u we wo ]が奈良時代以前からの本来の発音です。 しかし、一〇世紀後半になるとア行の「お」とワ行の「を」の発音上の区別がなくなりはじめ、一一世紀初めにア行の[ o ]はワ行の[ wo ]に合流しました。発音上で一音になってしまうと「お」と「を」の仮名遣いの混乱が生じます。・・・例文省略・・・・ また、一二世紀末〜一三世紀頃にワ行の「ゑ」([ we ])がヤ行の「え([ je ])」に合流し、ワ行の「ゐ」([ wi ])は[ w ]が脱落して母音の「い」([ i ])に合流しました。
『天草版伊曽保物語』の例があって、
室町時代の「え・ゑ・へ(語中五語尾)」は[ je ]と発音されていましたが、現代日本語では「え・へ(語中五語尾)」は母音の[ e ]で発音していますので、江戸時代の間に[ je ]が消滅し、母音の[ e ]がそれに交代したと推定されます。
室町時代の「お・を」はともに[ wo ]と発音されていましたが、現代日本語では「お」は母音の[ o ]であり、「を」も会話文中では[ o ]となっていますので、江戸時代の間に[ wo ]から両唇音の半母音[ w ]が脱落したと考えられます。
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