にっぽんの芸能(2021年7月9日放送、NHK)の レア楽器大集合!~古(いにしえ)の響き未来へ~ で、千年以上の時を経て現代に甦った楽器「箜篌(くご)」が紹介されていました。番組では、現存する日本最古の漫画である「鳥獣戯画」の映像にあわせて、東野珠実作品 雅楽絵巻『鳥獣戯楽』が演奏されていました。絵巻もこれまでただ見ていただけで、音の世界は欠落していました。当時の人はどんな音世界にいたのだろうとは思います。
さて、この箜篌(くご)ですが、正倉院展で見たはずなので、図録*で探してみると、第六十八回正倉院展の12-2南倉、「漆槽箜篌 模造」がありました。
*第六十九回「正倉院展」目録 [平成二十九年]、奈良国立博物館、平成二十九年十月
箜篌は、竪箜篌(たてくご)、臥(が)箜篌、鳳首(ほうしゅ)箜篌の三種に大別される弦楽器。宝庫に伝わる二張の箜篌の残欠はいずれも竪箜篌であるが、これは西方に起源を有する角形ハープの一種で、同形のハープの奏者が古バビロニア時代(前二十世紀~十六世紀)とされるテラコッタに表されている。竪箜篌は中国に伝来し、百済を経由して日本にもたらされたため、「百済琴」とも称するという。・・・
番組では、敦煌、莫高窟で七世紀頃に描かれた壁画に箜篌を演奏するのがあって、それから復元したとのことでした。調律も大変とのことで、それが原因ですたれてしまったらしいです。元々が西域から伝来した楽器を誰が演奏したのだろうと思います。楽器だけが日本にやってきたのではなく、楽器を熟知した人に付随してやってきたと考えるのが自然です。
思いつきですが、乾豆波斯達阿が妻を日本に残しています。このとき、ペルシアの人が複数、日本に来ているはずです。箜篌を演奏できる人がこの中にいたかもしれません。 以下に書いてます。
追記:箜篌の調律が大変というのは、弦楽器一般のことでなく、それぞれの弦が独立しておれば容易であるのに対して、箜篌の弦を固定する部分は一体の部品なので、一本の弦の調整が、他の弦に影響するため大変ということです。
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