名字の長谷川から思い出してきて、奈良の地名に興味を持っています。「ながたに」と書いて「はせ」と読むのは、長谷寺とかある地域がちょうど長い渓谷の地域にあり、漢字が導入されたときに発音はそのままに、漢字はその地域の形状的な特徴などを元に名を表すものになったためと思われます。たとえば、日本に山という漢字が入ってきたときに、「やま」という言葉に漢字がくっついた と考えられます。
平城京をナラノミヤコとふりがなをつけてあるのを見て、平城の部分がならに相当します。ならが発音で、地域の形態を表したのが平「城」であろうと思いました。「城」は都が城壁に囲まれていて、都のことを示していますが、平らな城であることを示しています。今まで意識してませんでしたが、実際に都とされた場所は、最初から平坦な地域ではなく、でこぼこなどのところを整地して(ならして)建設されたところであろうと考えられます。「平」に「ならす」の意味があるということです。
「大君は神にしませば赤駒の腹這う田居を都と成しつ」
という歌もあるぐらいで、都を作るのに土地の造成事業とか、今では考えられないくらいに大変なものであったかもしれません。都は大王の存在価値を示すようなシンボルであったとも考えられます。漢字は意味を表し、発音は和語を表すという例になるかもと思います。
古代地名紀行ー大和の風土と文化、池田末則著、東洋書院の最初の方、13ページから、奈良についてのところに「ならす」との記述がありました。昔から考えている人がいたということです。
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