2015年4月19日日曜日

「古墳時代を再考する」を読んで

広瀬和雄著、同成社、2013年9月20日発行です。2500円+税。
古墳についてなんだかわからない状態でしたが、最近出版された本で、だれそれのお墓とか書いていない本を図書館で探していて見つけました。この本は古墳について参考になると思います。
---理解したこと---
古墳時代とその後の律令国家体制は別物である。
日本書記にとらわれてはいけない。
-----------
 安田仮説では、奈良時代ではまだ西日本が統一された状態で、東日本は空白の状態であったとの理解でした。しかしこの本では、古墳時代は全国的に前方後円墳や、前方後方墳などがあり、対等ではなく階層性があり、中央と地方の関係があったとあります。同じような埋葬の文化があることで、日本が統一されていたとは思いませんが、強い結びつきがあるとは思われます。このあたり追っていけるかわかりませんが、今後の私の課題になります。
抜き書きですが、
34ページに平城京やその周辺京城の造営に際してたくさんの前方後円墳が破壊された事実があり、律令国家体制の貴族は古墳の価値を認めておらず、それまでの古墳に価値を持つ時代とはまったく異質であると考えられるとのことです。これは日本書紀における神武天皇からつながるという内容と相反するもので、天皇系統図が作為的なものであるということと整合性があります。

 この本で挙げられている問題として
1.前方後円墳とは何か
2.前方後円墳の成立と消滅
3.前方後円墳に媒介された政治秩序
について述べられています。このあたりはあんまり理解できていません。

 186ページで前方後円墳の終末について、隋・唐の統一と朝鮮半島への進出、それと政治連合を結んだ新羅の朝鮮統一といった緊迫した東アジア情勢が引き金になったとのことである。個人的に思うことは岡山県で鬼ノ城があります。土木的な知識が無いのですが、これも大工事だと想像します。巨大な前方後円墳を作ったエネルギーがこのような山城に換わっていったのかなと思います。時代的に合っていれば面白いのですが。後、高安城というのもあったなと思い出しました。西日本での前方後円墳の消滅に、このような山城を作るためと考えられればすっきりとします。

0 件のコメント:

コメントを投稿